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カスタムメイド人工骨

開発の状況と今後の開発

2004年から現在まで、CT-Boneの有効性と安全性を確認するためにビーグル犬13頭への移植を行ないました。結果、安全性の確認では一般健康状態観察、血液検査、X線CT撮影から局所的・全身的な副作用は観察されませんでした。また、有効性の確認では、コントロール側に既存人工骨(多孔性焼結ハイドロキシアパタイト製品)とCT-Boneを移植し、24週間にわたりX線CTによりCT値を計測しました。CT値の変化量は、コントロール側の変化量に対し、CT-Boneの変化量は有意に大きい結果となりました。また、ビーグル犬の組織を脱灰し、HE染色/MT染色/TRAP染色により観察すると、CT-Boneの連通孔部に骨組織が入り込んでいる様子が分かります。さらには赤芽球・巨核球を伴う骨髄の形成が認められ、長期的には骨組織へ置換されると考えられます。
既に東大病院への臨床研究に関わる倫理委員会資料を提出しており、2006年初旬より臨床研究を実施します。
■インプラントモデル
  原料 特性 気孔率 成形方法
CT-Bone α型リン酸三カルシウム(α-TCP) 未焼結、
連通孔
48% インクジェット方式により三次元積層造形
既存人工骨
製品
ハイドロキシアパタイト(HA) 焼結多孔体 55% ブロック形状から手動による切削


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■インプラントモデル成形方法


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■CT所見
CT-Bone内孔径の狭小化が認められ、骨断端の間には架橋の形成が認められました。
術後
術後4週
術後24週
  アパセラム CT-Bone アパセラム CT-Bone


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■CT値の解析
既存人工骨のCT値はほとんど変化が認められなく、CT-BoneのCT値は上昇する傾向にあります。


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■組織学的所見
(1)ヘマトキシリン・エオジン染色 (HE染色)
既存人工骨の実質に骨細胞が認められる。CT-Boneの内孔に、骨組織が入り込んでいる様子が認められる。また、水色矢頭の赤芽球・黄色矢頭の巨核球を伴う骨髄の形成が認められる。
(2)マッソン・トリクローム染色 (MT染色)
既存人工骨の実質、CT-Boneの内孔に青色の膠原線維や赤紫色の骨組織が侵入する様子が認められる。
(3)酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ染色 (TRAP染色)
人工骨の実質では橙色矢頭の破骨細胞が認められる。


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■動物患者への適用
頭部に骨肉腫を患ったコーギー犬の腫瘍を取り除き、骨欠損箇所にCT-Boneを移植。

・肉芽は人工骨インプラント時に除去。手術は2005年7月19日(火)に実施。
・患犬は手術直後から現在に至るまで、血液検査およびCT撮影の所見から順調に回復している。
移植した人工骨 元気になったコーギー
・X線CTによる頭部の経過観察
手術直後 手術3ヵ月後 手術7ヵ月後 手術10ヵ月後
HU339〜3071
HU110〜3071
*手術10ヵ月後のCTのみ、ピクセルサイズが0.274mm(他のCT:0.188mm)となっている。

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止血・癒着防止用外科手術装置
スプレー式癒着防止剤
口腔粘膜保護液
血管攣縮防止剤
NSAIDコンプレクス消炎鎮痛剤
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